2021年1月9日土曜日

【総集編】世界遺産「五島列島」一度は訪れたい感動の絶景スポットまとめ

            

 

九州の西方に位置する「五島列島」。隠れキリシタンの歴史が根付くこの島は、2018年に世界遺産に登録されて以来、旅行先としてますます脚光を浴びるようになりました。とはいえ、日本のメジャーな旅行先と比べてほとんど観光地化されておらず、島らしい風情を残しているのが醍醐味。隅々まで目を凝らせば、そこでは美しい教会やビーチ、大迫力の展望台など、思わず引き込まれる素晴らしい風景に出会うことができます。今回は、そんな魅力溢れた「五島列島」で必ず訪れたい絶景スポットをまとめてご紹介!

多航路でバリエーション豊富!「五島列島」へのアクセスは?

旅情あふれる船旅も「五島列島」を訪れる楽しみの一つ。 

今回紹介する「五島列島」は、通島・若松島・奈留島・久賀島・福江島の5島を中心とする群島の総称。実際に”五島”という一つの島が存在するわけではありません。 そのため実際旅行をする際には、九州そして各離島間のアクセス方法をしっかり調べておくのが鍵になってきます。

まず「五島列島」は、ざっくりエリア分けすると上五島(中通島・若松島)と下五島(奈留島・久賀島・福江島)の二つ。各エリアに主要ターミナルと航路があります。なお高速船やジェットフォイルは車の乗船ができないので要注意です。 

<上五島>有川港/中通島
(1)長崎港から約1時間40分、1日往復2~3便(九州商船の高速船)
(2)佐世保港から1時間半~約2時間半、1日往復4便(九州商船の高速船・フェリー)

<下五島>福江港/福江島
(1)長崎港から3時間~4時間、1日往復2便(九州商船のフェリー)
(2)長崎港から約1時間20分、1日往復3便(九州商船のジェットフォイル)
(3)奈留港/奈留島まで約1時間、1日往復2便(五島旅客船フェリー・ブルーオーシャン) 

<上五島・下五島>
若松港/若松島・福江港/福江島 ・両港を1時間45分、1日往復3便(五島旅客船のフェリー・高速船)

※他にも奈良尾港/中通島と福江港/福江島を結ぶ航路も有り なお新幹線でアクセスしやすい博多からは、上五島・下五島の両方へアクセスできる野母商船「フェリー太古」が運航しています。深夜発・翌朝到着であり、料金も比較的リーズナブルなので重宝する航路です。

博多23:45発~青方(上五島/中通島)5:40着~福江(下五島/福江島)8:30着 

これらの航路を上手く結ぶことで、短い日数でも効率よく、そして満足度の高い旅を楽しむことが可能です。それではこれから、五島列島で訪れたい絶景スポットを取り上げていきましょう!

穴場な絶景スポットの宝庫「上五島」!美しいビーチと教会風景

中通島の桐集落。エメラルドグリーンの入り江が美しい!

中通島と若松島で構成される「上五島」。五島列島の代表的な教会堂・頭ヶ島天主堂をはじめとして、情緒抜群な教会堂が数多く点在し、豊かな自然が広がります。 その中でも特筆すべき点は、穴場な絶景の宝庫だということ。ほとんど知られていませんが、思わず息を呑む風景に出会えます。 

孤島・頭ヶ島に根付く「頭ヶ島天主堂」とキリシタン墓地の風景

世界遺産の教会「頭ヶ島天主堂」はレトロな佇まいが渋い! 

五島を代表する教会の一つが「頭ヶ島天主堂」。中通島から頭ヶ島大橋をわたってアクセスすることができます。頭ヶ島は断崖に覆われ、五島の中でも隔絶された場所と言えますが、それ故に教会と集落が共存する景観をしっかりと残していることがポイント! また五島石を駆使した立派な教会は、当時の歴史背景を色濃く反映しており、世界文化遺産に登録されています。

マツバギクと海に囲まれた美しすぎる「キリシタン墓地」

一方で周囲の景観の美しさも格別!特に、4月~6月にかけてピンク色のマツバギクが、キリシタン墓地の周囲を彩れば、歴史と自然が結びついた感動的な絶景に!その光景はさながら、最果ての地でキリシタンたちが信仰を守り抜いてきたことを祝福しているかのようです。 

■頭ヶ島天主堂 
住所:長崎県新上五島町友住郷638
TEL:095-823-7650
交通アクセス:有川港から車で約20分、青方港から車で約30分、上五島空港からバスに乗り換え 
※見学には事前予約が必要(https://kyoukaigun.jp/reserve/agreement.php?cid=16) 

知られざるリゾート感抜群の穴場ビーチ「ハマンナ」 

知る人ぞ知る五島列島有数の穴場ビーチ「ハマンナ」

上五島の綺麗なビーチと言えば「蛤浜海水浴場」ですが、今回紹介したいのは「ハマンナ」。中通島の有川港と頭ヶ島のちょうど中間地点に位置する絶景ビーチです。 水はこの上なく透き通り、リゾート感が溢れるこのビーチですが、観光客にはほとんど知られておらず、長期連休でも混み合うことはほとんどありません。

「源五郎岩」はライオンが寝転がっているよう? 

離島らしい穏やかな空気を感じつつ、スカイブルーと白のコントラストを眺める時間は至福のひととき。ライオン岩と呼ばれる「源五郎岩」も良いアクセントになっています! 

■ハマンナ 
住所:長崎県南松浦郡新上五島町赤尾郷
交通アクセス:有川港から車で約15分、青方港から車で約25分

トトロみたいなビジュアル!?「矢堅目公園」から眺める夕日が美しい 

どことなくトトロに見えてくる巨岩「矢堅目公園」 

五島列島の西方航路の道しるべであり、上五島の防衛拠点になっていた「矢堅目公園」。中通島の奈摩湾(なまわん)の入り口に位置している巨石の名称です。

まだまだ五島列島の観光地の中ではマイナーな場所ですが、近年、その見た目がジブリに登場するトトロみたいと評判になり、密かに人気を呼んでいます。 

東シナ海へ沈む雄大な夕日を前に立ち尽くす! 

そんな「矢堅目公園」、ぜひ訪れて欲しいのは日没の時間帯。切り立った断崖の向こう、雄大な東シナ海へ、茜色の空とともに、沈んでいく夕日は圧巻の美しさです。

 ■矢堅目公園
住所:長崎県南松浦郡新上五島町網上郷
交通アクセス:青方港から車で約15分、有川港から車で約25分 

沖縄を超える「日島」一帯!美しすぎるミルキーブルーの海 

一面に広がる「日島」一体のミルキーブルーの海 

何度も五島列島を訪れている五島マニアの間で、沖縄を超える美しさとして名高いのが、若松島から県道169号線をひたすら西に進んだ場所にある「日島(ひのしま)」一帯。 特に何があるという訳ではないのですが、五島列島随一の美しい海が広がります。

穏やかな時間も絶景も独り占めできる穴場名所

目の前には、空の青さを超えた一面ミルキーブルーの海。吸い込まれるような青に、思わず見入ってしまうでしょう。なお日島には、干潮時だけできるビーチもあります。タイミングが合えば、ゆっくり周囲を散策するのがオススメです。 

■日島
住所:長崎県南松浦郡新上五島町日島郷
交通アクセス:若松港から車で約20分、奈良尾港から車で約40分 

若松の瀬戸を一望!「米山展望台」から眺める大迫力の地形美

大迫力の若松の瀬戸を望む「米山展望台」

海辺を歩くのも楽しい五島列島ですが、上から眺めるパノラマの素晴らしさも特徴の一つ。上五島・下五島を通して、素晴らしい展望台が様々ありますが、中でも一番お勧めしたいのが中通島の「米山展望台」! 

島南部の奈良尾港を見下ろす高台まで車で上がれば、そこには中通島と若松島の間に広がる「若松の瀬戸」を一望できます。

「若松の瀬戸」はたくさんの航路が通る海の道 

切り立った小島が乱立し、それを彩る鮮やかな緑が、五島ならではの美しい海との絶妙なコントラストを生み出します。また九州や五島列島の離島同士を結んでいるフェリーも、とても絵になりますよ。

■米山展望台
住所:長崎県南松浦郡新上五島町奈良尾郷
交通アクセス:奈良尾港から車で約10分、若松港から車で約20分 

個性豊かな絶景の宝庫「下五島」!随所に垣間見るキリシタンの世界 

福江島のシンボル!スコリア丘「鬼岳」 

奈留島・久賀島・福江島で構成される「下五島」。中心となっているのは、五島列島で一番大きな都市をもつ福江島で、そこから各二島へ船で渡るのが一般的です。 こちらも上五島に比べて、遜色ない実に個性豊かな絶景が見られます。今回は確実におさえたいメジャースポットを中心に、下五島の魅力を紹介していきましょう。 

まるで阿蘇のよう!?福江島のシンボル「鬼岳」

ハイキング 草原が広がる「鬼岳」!眼下には福江港と上五島を望む 

まず紹介したいのは福江島のシンボル「鬼岳」。火山活動により生成されたスコリア丘という現象で、山頂付近に木々が生えない特異な景観をなしています。 しかし、それ故に眺望が抜群!駐車場から一つ小高い丘へと上れば、その先には周囲の五島各島と福江の町を見渡す絶景が広がります。

草原に寝転がれば、向こうには夕日に染まる「七ツ岳」 

そんな「鬼岳」のベストな時間帯は夕方。日中の暑さが少し和らぐとともに、太陽に照らされて金色に輝く山肌を、夕風がサァーっとなびかせていきます。草原の上に寝転がり、五島の自然を感じながら夕涼みしてみてはいかがでしょうか? 

■鬼岳
住所:長崎県五島市上大津町
TEL:0959-72-2963
交通アクセス:福江港から車で約15分 

日本一美しいビーチ「高浜海水浴場」グラデーションの神秘 

太陽に照らされた「高浜海水浴場」もまた一興! 

五島列島の中でも一番有名な観光名所と言っても過言でもないのが、福江島西部の「高浜海水浴場」。 起伏に富んだ地形と、白い砂浜、そして透き通った海が織りなす景観が特徴で、「日本一美しいビーチ」とまで言われる五島列島を代表するビーチです。 

魚藍観音展望所から見るビーチの風景!海と山のコントラストが見事 

もちろん海辺を歩くのもオススメですが、ぜひ眺めて欲しいのは隣接する「魚藍観音展望所」からのパノラマ! 波打ち際から水色・青色・藍色とグラデーションを見せながら大海原へと続いていく湾の様子は、思わず見惚れてしまう神秘の絶景です。

■高浜海水浴場
住所:長崎県五島市三井楽町貝津
TEL:0959-84-3163
交通アクセス:福江港から車で約40分 

おとぎ話の世界のよう?可愛らしいメルヘンな「江上天主堂」

五島列島にある四つの世界遺産の一つ「江上天主堂」 

福江島から船で30分~1時間程の場所に位置する「奈留島」。旅行先としてはあまりメジャーではないものの、近年世界遺産に登録された「江上天主堂」が人気を博し、次第に観光客が足を運ぶようになりました。 

まるで、おどぎ話の世界のよう!可愛らしい「江上天主堂」の佇まい 

そんな奈留島の看板と言える「江上天主堂」ですが、何と言っても特徴的なのは、その可愛らしい外観! クリーム色や水色のいった色使い、森の中にこぢんまりと顔覗かせる佇まいが、まるで物語の中に出てきそうなメルヘンチックな雰囲気を醸し出しています。 

■江上天主堂
住所:長崎県五島市奈留町大串1131-2
TEL:095-823-7650
交通アクセス:奈留島港から車で約15分
※見学には事前予約が必要(https://kyoukaigun.jp/reserve/agreement.php?cid=16) 

大迫力の岩礁と紺碧の海のコントラスト!「奈留千畳敷」が凄い 

荒々しい岩礁と美しい海との調和「奈留千畳敷」 

そんな五島有数のスポット「江上教会」を有す奈留島ですが、実は他にも様々な見所があるのもポイント!コンパクトな島には美しいビーチや展望台、道などが散りばめられています。 中でもぜひ訪れて欲しいのが「奈留千畳敷」。小島へ続くダイナミックな岩礁と、紺碧の海のコントラストが作り上げるパノラマは必見です。  

舅ヶ島海水浴場から眺める景色も必見!まるでエンジェルロード? 

また舅ヶ島(しゅうとがしま)海水浴場というビーチと隣接しているため、海辺を歩きながら、様々な角度で眺められるのもポイント! また千畳敷へ渡る場合、干潮でなければならず、予め潮位表でチェックしておくのがベターです。 

■奈留千畳敷
住所:長崎県五島市奈留町泊
交通アクセス:奈留島港から車で約5分
※潮位表で干潮時間を確認のこと(https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/tide/suisan/suisan.php?stn=FE) 

五島列島だから成立し得た「渕ノ元カトリック墓碑群」に感動! 

東シナ海に面した開放的なキリシタン墓地「渕ノ元カトリック墓碑群」

最後に紹介したいのは、福江島の穴場絶景スポットの「渕ノ元カトリック墓碑群」。名前の通り、キリシタン関係の史跡なのですが、その特徴は素晴らしいロケーションにあります。なんと、東シナ海の大海原を望むように墓碑が据えられているのです。 

夕日に照らされれば、感動的な情景に! 

通常キリシタン墓地は、信仰が露見するのを防ぐため、森の中にひっそりと営まれるのですが、ここは五島列島の中でも”最果ての地”。幕府勢力がある長崎本土より一番遠い場所です。 まさに隔絶性の高い五島列島だからこそ成立し得た墓地の形と言えるでしょう。 

■渕ノ元キリシタン墓碑群
住所:長崎県五島市三井楽町渕ノ元436
交通アクセス:福江港から車で約50分 

圧倒的な風景の連続!「五島列島」で忘れられない日本に出会う旅を 

五島屈指のスカイブルーの海「高井旅海水浴場」 

以上、いかがでしたでしょうか?近年、旅行先として少しずつ人気が集まっている「五島列島」には、言葉では言い尽くせない感動的な絶景が溢れています。アクセスこそ少し困難なものの、どの船を使うか?どのスポットを巡るか?その組み合わせを考えながら旅行プランを組むのも楽しく、誰が行っても一つとして同じ旅にならない多様性も魅力です。 ぜひ一度、美しい風景と独特な歴史が根付く「五島列島」へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

All photos by Yuhei Tonosyou








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