世界遺産の教会を後にして、さらに島を北上する。二輪乗りというものは、やはり先っぽを目指したくなる習性があるようだ。
それにしても相変わらず気持ちの良い道。しっかりと舗装され、漕いだら漕いだ分だけ進む。なんともストレスフリー!
そうこうしているうちに、目の前の集落の先に、何か大きな構造物が見えてきた。なんだか、壁のようだが・・・!?
上るとそこには、例えようもない途方な海が広がっていた。
小さな島でありながらも対峙するのは、圧倒的な大海原。まるでこの防風堤が、違う世界の玄関口となっているようだ。
写真に収まりきらないほどの大スケール。手を大きく広げながら、この自然の威容を、身体全体で感じてみる。
普通に旅をしているだけでは中々たどり着けない場所。自転車であれば、そういう場所に自然とたどり着く。この満足感というのは、何物にも替えがたい。
さぁ島の北部を制覇したら、次は島南部へと。相変わらずひたすらにストレスのない道。のどかな景観は、一見何ということはない。
しかし、そんな風景を求めている自分がいる。都会で暮らしているからこそなのだろうか。根源的に自然と素朴な暮らしに憧れているのかもしれない。
日常では身を潜めている、自分の内なる声が聞ける気がする。
そんなサイクリングの途中、一台の車が目の前に止まった。「奈留島 便利Car」とは?
まさかの移動式スーパーでした!奈留島には高齢者も多く、移動手段が車しかない。だからこそ地元スーパーが好意で行なっているそうだ。
GWといえど、さすがに暑すぎたのでポカリスエットとヨーグルッペを購入。そしたら、スーパーのおばちゃんから「うちはサラダ巻きがオススメだからぜひ食べて!」とプレゼントしていただいた。
本当にありがたい!というか、五島では人情味豊かで優しい方にしか会ったことがない。すっかり長崎は温かい県だというイメージが定着した。
さぁそれでは島の中心部へ。その途中も、自転車を幾度となく止めてしまう。
だってどこを走っても美しいんだから。道が本当に絵になる。進むたびに自分の感性を刺激されて止まない!
そして奈留島が誇る五島有数の「宮ノ浜海水浴場」にたどり着くと、そこには目を疑うほどの海の色があった。
宝石のような深いエメラルドグリーン!なんて深い色をしているんだ!!
そんな絶景を横目に、先ほどもらったサラダ巻きをパクリ。んん〜!うまいっっ!!!
こんな気持ち良いなかでいただけるなんて最高だ!自転車がとても映える景色。きっとマイ自転車も、こんな場所に来れて喜んでいるに違いないね!
ここでも地元の方と仲良くなった。確かブルガリア?モンテネグロ?だったかな。外国人の男性と日本人の女性の夫婦だった。まだ奈留島に移住したばかりだという。
旅先でこういう人に出会うと、また新たな生き方や人生を知れる。サラリーマンをしているだけではあまり出会えない価値観に出会う。将来の人生設計にあたって、かなり有意義な時間を過ごさせてもらえている気がする。
このご夫婦にイチオシと聞いた、島最高峰の「城山展望台」へヒルクライムをしてみた!旅の中盤にもくれば、多少の上りには慣れてきた感じ。
上りきればこの大展望!隣の久賀島から福江島、トンボロで有名な前島まで一望できる。初夏の勢いが高まるGW。緑と青の織りなす風景は格別だった。
さぁ帰りのフェリーまで時間がない!ということで巻きの走りを繰り広げるけど、やはり止まってしまうんだよね・・・(笑)
どこか瀬戸内の海道を彷彿とさせる道。あぁ、ひたすらに清々しい・・・。自転車に乗っていて一番幸せな時間。
他の旅では味わえない快速感と道路の感触。車やバイクじゃダメなのだ。自転車だからいい。
海沿いから一回アップダウンを繰り返すと、奈留島ラストの目的地「奈留島千畳敷」へとついた。荒々しい岩礁がまるで神殿のような佇まいを見せている。
なんともミステリアスな空間だ。向かいの島までは渡れなかったので、途中で折り返し。岩礁の先に広がる五島灘がとても美しかった〜!
昨日からの今日。天気は快晴つづき。旅する上で天気運って、本当に重要だと思う!ここ数年、長期連休で雨にあまり当たったことがない。いや正確には数日雨が降るが、メインの日はいつも晴れてくれている!
だからこそ、この絶景!奈留千畳敷から少し上がった高台からは、言葉にできないパノラマが広がっている。さぁ絶景成分は十分に補給できたぞ。
帰りのフェリーの時間もあるので急ごう!ということで、急いで街まで走ってきたけど、それはそれで時間が余る。心配性あるある(笑)
そこで奈留島の大工さんが営む「三兄弟工房」へ。令和五島キーホルダーを発見したので思わず購入。これは、とっても記念になる。
結局、船が出るギリギリまで奈留島を満喫!島に滞在していたのはたった4〜5時間ほどだったのに、実に濃い時間を過ごすことができた。そして島&自転車の相性の良さも再認識できたかな、というところ。
九州県外の私からしたら、ミルクック一つで旅を感じられる嬉しみ。
それでは五島3つ目の島へ行くはずだったが、ふと考え直し2つ目の福江島に戻ることに!その経緯については次稿にて。
いずれにしても五島の自然の豊かさを大いに感じられた一日。写真を見返すと、またあの場所に戻りたくなる!あの風景の中を駆け抜けたくなる。美しすぎる五島列島に、終始魅了された時間となった。
あぁすでに奈留島が恋しい・・・。
〜続く〜
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